「三人確定」システムについて
核心的なゲームメカニズム
『Return of the Obra Dinn』の最も特徴的で核心的なゲームメカニズムの一つが、この「三人確定」システムです。プレイヤーが手記に記録した乗員の安否情報――つまり「氏名」「死因」、そして該当する場合には「加害者」――が、3人分まとめて完全に正解だった場合にのみ、それらの情報が「確定」として扱われ、手記に正式に記録されます。
このシステムは、単なる当てずっぽうや総当たり的な入力を効果的に抑制し、プレイヤーにより慎重かつ多角的な推理を促す役割を果たしています。一つの死因や身元が判明しただけでは正解とはならず、複数の情報を有機的に関連付けて考察する必要が生じるため、ゲームの謎解きの深みを格段に増しています。例えば、ある人物の死因は明確に分かっても名前が不明な場合や、名前は特定できても正確な死因の表現に迷う場合など、プレイヤーは複数の未確定要素を抱えながら調査を進めていくことになります。
戦略的な活用法とフィードバック
一方で、この「三人確定」システムは戦略的に利用することも可能です。例えば、2人分の安否情報については絶対的な自信があるものの、3人目についてはまだ確証が得られない場合、その3人目の情報をいくつかの候補で試してみることで、間接的に正否を判断できることがあります。3人分の情報を入力しても手記上で確定の演出(ページがロックされるなど)が発生しなければ、入力した3つの情報のいずれか(あるいは複数)に誤りが含まれていると判断できるわけです。この独特なフィードバックシステムが、プレイヤーに緊張感と、正解を導き出した際の大きな達成感を与える重要な要素となっています。
このシステムは、ゲームの難易度を巧みに調整し、プレイヤーが完全に手詰まりになることを防ぎつつ、深い思考と洞察を促すための、非常に優れたゲームデザインと言えるでしょう。